吉川和男
創意自ら道を拓く
株式会社ミクロ技術研究所

激変する業界で、ひるまず挑戦する
ベンチャー・スピリット


タッチパネルを支えたメーカー -ミクロ技術研究所-


写真製版(注1)をコア技術としたベンチャーとして、1966年に吉川和男と吉川実によって東京で創業され、現在600人を抱える企業グループとなる。
時計の液晶表示基盤で一時代を築くなど、数々の世界初の製品化に関わり、知る人ぞ知る隠れた巨人である。PCや携帯電話の液晶用カラーフィルター基盤を世界で初めて商品化した。優れた技術力をもって、携帯電話やiPhoneのタッチパネルの初期を支えた企業である。トヨタ自動車のすべてのカーナビ用タッチパネルを生産し、現在、ヨーロッパ車のカーナビを支えている。

(注1)光を使って平面基盤に画像パターンを転写する印刷技法(フォトリソグラフィー)で、フォトレジストの感光した部分を腐食で除去すること(エッチング)により、半導体素子や液晶表示等の商品化が可能な技術。
大手企業・大学 などの依頼に独自の技術で、いち早く数々の製品を企画・開発をすることで発展してきた。
ハイテク製品のライフサイクルは5-7年と短く、変化の激しい業界の中で、大手企業の新製品を支え続けた。
その背景には独自の技術力と創造的な製品開発をし続ける「創意自拓道」というコアベンチャー・スピリットがあった。
現在、同社の「曲がるガラス」の技術は、超薄型タッチパネルとしてスマートフォンに使用され高く評価されている。


マネーゲームよりモノ作り


吉川実は、中国を訪問し、その世界に驚いたという。
多くの中国人と出会い、その夢をたずねるに、彼らの多くはお金だった。と語る。
彼等には、研究開発をしようという意欲が感じられないし、
それどころか、お客さえもつれてこいと言う。

我々日本企業は、お金よりも、モノ作りにこだわり、良い技術にこだわりたい。
我社は、写真製版をコア技術として、優れたモノ作りにこだわり続けたい。マーケットがなくなるわけではない。

思考を変えていけば、マーケットが開かれ、次の時代は必ずある。(吉川実談 )


礼節を重んじる社風


取引き先との厚い信頼関係を築いた背景には、礼節を重んずる社風がある。
礼節とは、一言でいうと「相手を思いやる心」が大切だと経営幹部は語っている。
思いやりの心で相手の要請に応え続けようとする努力が、独自な製品化につながり、頼られる存在となっている。
お客様を会社に迎える時は、全員が起立してあいさつするなど、礼をつくして迎える。そして、お帰りの時は、お客様の姿が見えなくなるまでお見送りをするなど、相手を思いやる心が行動に現われている。
また、社員も幹部もどんな時も相手の心を立て、決して出しゃばらない。


経営理念・行動指針


「私たちは、独自のものづくり技術と卓越した技術屋精神にもとづき、電子と光の世界を構築し、情報コミュニケーションの未来に貢献します。」


吉川和夫・実 (ミクロ技術研究所)◆ミクロ技術研究所の最先端技術を支えるのは…礼節の精神!?