モノがあつまらないのは、
あなたの行いが、
まだほんとうに世の中に
お役に立っていないからです。


 ダスキンの創業の二代目であった駒井は、一燈園の西田天香の教えを大切にしていた。
 「モノが集まらないのは、あなたの行いが、まだほんとうに世の中にお役に立っていないからです。業績があがらない、利益がでないといって嘆く前に、それを恥ずかしいこととして自覚し、お客様に対するお役立ち方が至らないことを反省してみるべきです。お客様にお役に立ち、喜ばれるようになれば、確実に利益は与えていただけるのです」西田の教えである。
 「追及すべきはお役立ち方であり、喜ばれ方であって、利益はその結果としてもたらされるものです。『儲ける』のではなく『儲かる』ようにすることが大切です」と、社員やフランチャイズのメンバーに駒井は訴え続けた。
 「喜びのタネまきとは、基本としてお客様が求めておられるものを、ダスキンが率先して開発し、ご提供することです。お客様が心から喜んでくださり、気が付いてみると、ダスキンも利益を上げさせていただいた。そこでこの利益は、さらに世の中のために役立つよう、人材開発なり、製品開発、技術開発へと、資金を投入すべきことなのです」と、西田天香を師としてダスキンの創業をリードした駒井らしい発言である。


【プロフィール】
駒井 茂春(こまい・しげはる)1923年生まれ。
鈴木清一と共に今日のダスキンをつくりあげた創業者のひとり。
一燈園の西田天香の教えを受け社内やフランチャイズチェーン店に取り入れた。